岩手県一関市は、昭和22年のカスリン台風、23年のアイオン台風と2年連続の巨大台風に襲われ、死者数500人余、流出家屋数約600戸と未曾有の大災害に見舞われた。
その復興と、多くの犠牲者の鎮魂の為に、昭和26年4月に2000本もの桜や梅の苗木が植えられた。
今では一関市の名所として市民に親しまれている桜並木だが、平成30年代の完成を目処に、総事業費約2700億円(平成7年改定)の巨大プロジェクトの一部である堤防改修工事に伴ない、今年度中に伐採されることになった。
今春が最後の満開となり、『みおさめ桜』となった。
一関市と国土交通省により、「磐井川桜再生計画」が策定され、伐採される桜の木から苗木を育成し、接木などによって桜並木を復活する計画があるとのことだ。
改修工事が無事に終わり、何十年後かにはこれまで以上の花を咲かせ、我々市民の目を楽しませ、安らぎをもたらしてくれる日が必ず来ると信じている。もっとも、その時まで未だ生きていればだが……。
